SMBC日興證券運営のメディア「FROGGY」がけっこうハイクオリティ

(※2019年2月15日追記しました) SMBC日興證券がしれっとオウンドメディアを立ち上げてました。
2016年11月1日より、「お金の常識をカエル。」をモットーに、お金や投資に関する様々な情報を、お客様の興味関心に合わせ、毎日の暮らしと結びつけながら提供していく無料の投資情報サービス 「FROGGY(フロッギー)」を開始しました。
(参考:新・投資情報サービス 「FROGGY(フロッギー)」 を開始しました。) その名も「FROGGY サイトのコンテンツとしては、 ・株式/投資信託についての解説 ・マネープラン ・経済全般 ・経営者、投資家へのインタビュー などになっています。 運営が証券会社らしく、マネー系のコンテンツが主になっています。 最近、金融系の会社がオウンドメディアを立ち上げるが多いですね。 野村証券も2017年5月に「EL BORDE」というオウンドメディアを立ち上げていました。 (参考:金融リテラシー向上のための若年層向けウェブマガジン「EL BORDE(エル・ボルデ)」公開) EL BORDEに関してはビジネスパーソン向けでビジネス寄りの記事が多いようなので少し系統は違うかもしれません。(EL BORDEに関してものちのち分析記事を書きたいと思います。)

SMBCが考えるFROGGYの狙いとは?

SMBCがFROGGYを作った背景はなんなのでしょうか? それはずばり「既存顧客の投資促進」のようです。 マイナビニュースに載っていたSMBC日興証券 ダイレクトチャネル事業部 兼 経営企画部 副部長の吉岡伸輔氏へのインタビューによると、
SMBC日興証券では毎月1万口座以上が新たに開設されますが、実際には開設後1年たっても取引のないお客様も数多くいらっしゃいます。直近で、一定期間取引のないお客様の割合は半分近くに上っています 投資した商品の価値が下がって損失を被るリスクが怖いという回答が約4割なのに対して、投資を始めるために必要な知識がないという回答は、その1.5倍にあたる約6割でした。我々としてはまったくリスクのない商品というものは作れませんが、知識をつけてもらうことはできるという考えでスタートしました
(参考:投資に対する意識を変えるSMBC日興証券の「FROGGY」) とのことです。 つまり、 証券口座は作ったけれど、リスクが怖かったり、投資についての知識がなく実際に投資をしていない既存顧客向けに、FROGGYで投資の知識をつけてもらって投資を行ってもらいたいというのが狙いのようです。 証券会社のリテール(個人)向けの営業は、証券会社を通して株や投資信託といった金融商品を買ってもらい、手数料を得るビジネスモデルなので、もっと投資する人を増やしたいということですね。

記事がけっこうハイクオリティ

SMBC日興證券という大企業が運営しているだけあって記事の質は高いです。 記事の著者を見ると、 「月曜から夜更かし」で有名になった「桐谷さん」や、 GMOの社長である「熊谷さん」、 ミドリムシで有名なユーグレナ社長の「出雲さん」など名だたる人物が並んでいます。 また投資が学べる漫画として話題になっている「インベスターZ」ともコラボしたコンテンツもあります。 この辺を見ると、きちんとお金をかけて作られているなー、という印象を受けますね。 桐谷さんのインタビュー記事などは見てみると面白いですよ。 棋士から個人投資家への転身〜桐谷広人さんインタビュー【前編】

コンテンツ制作は外部の会社に委託しているよう

SMBC日興證券は今までオウンドメディアを運営するノウハウが社内になかったと思うのでどうやって運営しているんだろうなーと思っていたのですが、運営全般は外部の会社に委託しているようです。
メディアの運営は、調査・企画段階から関わってきたクリエイティブエージェンシーである「SIX」がディレクションを行い、クリエイターのエージェント業務を行う「コルク」と、メディアプラットフォーム「cakes」を運営する「ピースオブケイク」も加わり、吉岡氏以下8名のSMBC日興証券のスタッフとともに企画立案およびコンテンツ制作を行っている。
「SIX」「コルク」「cakes」の3社に依頼しているようですね。 ただ、完全に任せているわけではなく、自社でも運営できる体制作りは進めているみたいです。
こういう企画がおもしろいというような切り口、どう伝える方がよいというアドバイスはプロの編集の方からいただくわけですが、最終的には我々が判断しています。またプロのみなさんからは、お任せで甘えていてはいけないともいわれているので、自分たちでコンテンツを作る準備もしています
(参考:投資に対する意識を変えるSMBC日興証券の「FROGGY」

実際どのくらいの規模になっているのか

公開から9ヶ月(2017年7月現在)ほどたった今、気になるのはどのくらいのユーザーが見ているのかということです。 気になるそこのところをSimilarWebで調べてみました。 直近1ヶ月の訪問者数は約16万。 まだまだ少ないですねー。PVにしたら30万〜50万PVくらいでしょうか。 そんなにニッチでもないマネー系のサイトでこの規模はまだまだ小さいですね。 チャネルを見てみると ・ダイレクト ・ソーシャルメディア からの流入が多いようです。 既存顧客へのメールで紹介したり、メールマガジンを発行しているようなので、 ダイレクトはメールからの流入っぽいです。 ソーシャルからの流入が多いのはfacebookページからの流入が1つあると思います。 facebookページも運営していて、25000人ほどがフォローしています。 1日1投稿くらいの頻度で投稿しているのでそこからの流入も多そう。 さらに著者の方々が自分の記事をfacebookやtwitterなどで紹介しているのもあり、ソーシャルからの流入が多いようですね。
(2019年2月15日追記) 記事を書いてから1年半ほど経ったのでいまの流入もみてみました。 あれ、、、減ってる・・・? similarwebの数値をどこまで信用するかですが、ここ1年半でそんなに成長していないのかもしれません。。。 流入比率はSNSが減少して、検索とダイレクトが増えているようです。

SEOを強化して検索エンジンから流入を確保しないとPVは増えない

FROGGYはまだまだ検索流入が少ないですね・・・ SMBC日興證券が運営、というネームバリューがあっても検索からの流入が確保できないとPV数的な規模を出していくのは難しいのかもしれません。 ただ現在は既存顧客をターゲットにしているようなので、 検索流入はそこまで力を入れてないかもです。

FROGGYの今後は?

「これからは投資へのヒントになるような記事や、少し違った切り口での銘柄紹介などを増やして行きたいですね。そして、「FROGGY」から直接金融商品の売買ができるシステムを構築したいと考えています。その時は通常のお客様向けサイトよりも簡単なインターフェースを作るなど、「FROGGY」色がついたお客様に合ったものを作りたいですね」と吉岡氏は語る。
(参考:投資に対する意識を変えるSMBC日興証券の「FROGGY」) 今後はFROGGY上で金融商品が売買できるようにしていくようです。 記事で不安を解消したり、知識を増やしてもらう→そのままサイト内で売買、という流れができるとユーザー的にもいいかなとは思います。
(2019年2月15日追記) 昨日、「500円から株を売買できる「個別株の取引機能」を実装」とのニュースがありました。これで当初の予定通り記事から直接株が購入できるようになったようですね。 SMBC日興証券、メディアと株取引が融合した「FROGGY」–500円から購入可能 https://japan.cnet.com/article/35132803/
しかし、検索流入を強化しなければ規模は小さいままで、大した売り上げ寄与もしないと思われるので、だんだんとSMBC的にもFROGGYへの投資が下火になっていき、クローズするという流れになってしまうんじゃないかなー。 既存顧客へのアプローチといっても現状でアプローチできるチャネルがそんなにないのでは?とも思います。 コンテンツマーケティングは成果が見えにくい部分もあり、難しいですね。 ただ記事のクオリティは高くてとてもためになる内容になっているので、個人的にはこのまま続いていってほしいなと思います! これからもFROGGYの動向をしばらく見守っていきたいと思います。